アーサーズ・パス国立公園

Arthur’s Pass National Park
アヴァランチェ・ピーク(英語版)から眺めたアーサーズ・パス国立公園
地域 ニュージーランドの旗南島
最寄り アーサーズ・パス(英語版)クライストチャーチ
座標 南緯42度57分0秒 東経171度34分0秒 / 南緯42.95000度 東経171.56667度 / -42.95000; 171.56667座標: 南緯42度57分0秒 東経171度34分0秒 / 南緯42.95000度 東経171.56667度 / -42.95000; 171.56667
面積 1,143 km²
創立日 1929年
運営組織 ニュージーランド環境保全省

アーサーズ・パス国立公園Arthur’s Pass National Park)は、ニュージーランド・南島で、カンタベリー地方ウェスト・コースト地方にまたがる国立公園である。

概要

南島の中央部に位置する。ニュージーランド全体では4番目、南島では最初に設立された。公園の名前は、1865年に、南島を東西に隔てるサザンアルプス山脈において、クライストチャーチホキティカ(英語版)を結ぶ251キロメートルの道路の開拓、建設で活躍したアーサー・ダッドレー・ドブソン(英語版)にちなむ[1]

国立公園は、ドブソンが開拓し、現在では、国道73号線(英語版)と呼ばれる道路に沿うような形で設けられている[2]アーサーズ・パス(英語版)は、国道73号線上にあり、国立公園の情報の拠点となっている。

国立公園内の最高峰は、マーチソン山(英語版)で、標高2,400メートルである[2]。アーサーズ・パスの街並みから西のほうにそびえる山は、第2の山であるロールストン山(英語版)(標高2,271メートル)である[2]

歴史

カンタベリー地方にヨーロッパ人が居住を開始する以前から、先住民に当たるマオリは、現在の国道73号線に当たるルートを利用してきた。マオリは、このルートを用いて、翡翠ウェスト・コースト地方からカンタベリー地方に運んでいた[1]。いわゆる「翡翠の道」である。

ヨーロッパ人が、南島の中心であるカンタベリー地方からウェスト・コースト地方へ関心を高めたのは、ウェスト・コースト地方でが発見されたことに他ならない[1]。そういった社会情勢の中で、アーサー・ダッドレー・ドブソンがウェスト・コースト地方を探検し、道路の建設が開始されていった[1]。ドブソンが建設を指揮したこの道路は、1年未満で建設が完了した[1]。もっとも、このルートは、天候の急変や落石などで危険性が高いことから、1907年から建設が開始され、1923年には、オティラ(英語版)~アーサーズ・パス間の8.5キロメートルには、鉄道トンネルであるオティラ・トンネル(英語版)が開通した[1]。また、道路の改良として、1998年から2年がかりで、オティラ・ヴィアダクトと呼ばれるバイパスが建設されたため、危険区間は、現在では閉鎖されている[1]

生態系

植物相

アーサーズ・パス国立公園の植生は、サザンアルプス山脈の東麓と西麓では、はっきりと異なる[1]。東麓の植生の中心は、ブナである[2]一方、西麓の中心は、マキフトモモ科メトロシデロス・ウンベラータである[1]。西麓の森林には、樹木の下には、灌木やシダ植物コケ植物がともに生い茂っている[1]。森林限界を越えると、草むらになる[1]

動物相

アーサーズ・パス国立公園では、ミヤマオウムマオリ語でKea)の生息地である[1]。また、絶滅危惧種のオオマダラキーウィ(英語版)も、公園内では一般的に見られるニュージーランドミツスイ(英語版)ニュージーランドオウギビタキ(英語版)イワサザイ(英語版)ニュージーランドハヤブサ(英語版)ハシマガリチドリニュージーランドアオバズクニュージーランドバトカンムリカイツブリカカキイロモフアムシクイ(英語版)キガシラアオハシインコ(英語版)マレルブアオハシインコ(英語版)ニュージーランドクイナエリマキミツスイクロアカツクシガモヒジリショウビン(英語版)ヨコジマテリカッコウ(英語版)キジカッコウニュージーランドムシクイ(英語版)ニュージーランドヒタキニュージーランドコマヒタキ(英語版)ミドリイワサザイハイムネメジロ(英語版)チャオビチドリ(英語版)カナダガンミナミオオセグロカモメミナミミヤコドリクロビタイアジサシ(英語版)とともに生息が確認されている。アオヤマガモも生息すると見られるが、目撃情報は非常に少ない[1]

アクティビティ

トレッキングニュージーランド英語でトランピング)をアーサーズ・パス国立公園でも楽しむことができる。ニュージーランド国内に9ヶ所あるニュージーランド・グレート・ウォークス(英語版)こそ無いものの、行程1時間半のアーサーズ・パス・ショート・ウォーキング・トラックス(Arthur’s Pass short waiking tracks)[3]、行程半日のアーサーズ・パス・ハーフデイ・ウォークス(Arthur’s Pass half-day walks)[4]、行程1日のアーサーズ・パス・デイ・ウォークス(Arthur’s Pass day walks)[4]がある。

それ以外のアクティビティは、登山マウンテンバイクを楽しむことができる[5]。また、免許制であるが、国立公園内には、狩猟できる場所が東西にあり[6][7]、そこでは、鹿シャモアを狩猟することができる[5]

脚注

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m “Features”. ニュージーランド環境保全省. 2014年2月19日閲覧。
  2. ^ a b c d “Story: Canterbury places page 14 – Porters Pass to Arthur’s Pass”. The encyclopedia of New Zealand. 2014年2月26日閲覧。
  3. ^ “Arthur’s Pass short walking tracks”. ニュージーランド環境保全省. 2014年2月26日閲覧。
  4. ^ a b “Arthur’s Pass half-day walks”. ニュージーランド環境保全省. 2014年2月26日閲覧。
  5. ^ a b “Activities in Abel Tasman National Park”. ニュージーランド環境保全省. 2014年2月26日閲覧。
  6. ^ “Arthur’s Pass East hunting block”. ニュージーランド環境保全省. 2014年2月26日閲覧。
  7. ^ “Arthur’s Pass West hunting block”. ニュージーランド環境保全省. 2014年2月26日閲覧。

外部リンク

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