ドライゼMG13機関銃
MG13機関銃(フラッシュハイダー装着型) | |
ドライゼMG13機関銃 | |
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種類 | 軍用機関銃 |
製造国 | ドイツ国 |
設計・製造 | ラインメタル社 |
仕様 | |
種別 | 汎用機関銃 |
口径 | 7.92 mm |
使用弾薬 | 7.92x57mmモーゼル弾 |
装弾数 | バナナ型マガジン給弾(25 発) 延長型バナナ型マガジン給弾(50 発) ダブルドラムマガジン給弾(75 発) |
作動方式 | 直動式ショートリコイル |
全長 | 1,341 mm |
重量 | 11.43 kg |
発射速度 | 550 発/分 |
銃口初速 | 785-820 m/秒 |
歴史 | |
配備期間 | 1930–1960 |
配備先 | ドイツ、ポルトガル、スペイン |
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ドライゼMG13機関銃 (MG Modell Dreyse 13, Maschinengewehr 13, MG13) は、ドイツで1920年代から1930年代にかけて設計・製造された空冷式機関銃である。
概要
第一次世界大戦後、敗戦国ドイツは自動火器の開発を制限され、保有していた水冷式重機関銃(MG08)も各国によって接収されてしまったために、ヴァイマル共和国軍では機関銃が不足していた。新規開発にあたり、共和国軍では大戦の戦訓から新型機関銃を機動力の無い水冷式重機関銃ではなく、歩兵が携行運搬可能な空冷式軽機関銃とする開発方針を定めた。これには大戦末期のMG08/18などの先例があった。
スイスのゾロターン社での、後にMG30として結実する空冷式機関銃の開発と並行して、ドイツ国内でも(1907年にドライゼ社を買収した)ラインメタル社によって、第一次大戦型のドライゼ(Dreyse)M1915あるいはM1918水冷式重機関銃を改造して空冷化することで新型機関銃が開発され、1928年-1929年にかけて射撃試験が行われた。これがMG13であった。「13」は1913年を意味し、この新型機関銃が大戦中に開発されていたかのように装い、連合国管理委員会の目を欺く事を目的とした名称であった。
製造は、ヴェルサイユ条約下のドイツで唯一歩兵用銃器の製造が許されていたズール(Suhl)のジムソン社(Simson&Co.)で行われた、とされる。ただしこれは当時の状況からの推測であって確認されておらず、実際の製造場所は不明である。一説にはラインメタル社が製造に関わっていたとされる。
MG13は、1930年からドイツ軍の標準軽機関銃として導入され、1932年にはドイツ軍に制式採用された。より高性能なMG34やMG42が開発されると、1934年からそれらに取って替わられる形で退役した。
退役したMG13は1938年頃に、ほとんどがポルトガルとスペインに売却され、少数がスペイン内戦で使用された。また、スペイン内戦に派遣されたコンドル軍団にも、2,438挺のMG13がMG08とともに送られている。ポルトガルではドライゼm/938機関銃の名称で1960年頃まで使われた。他にノルウェーにも売却された。
売却されなかった物は、少数がいくつかの第二線級部隊や警察で使用された他、第二次世界大戦末期にドイツの兵器不足が深刻になると、保管庫から引っ張り出されて、再配備された。
また、MG13の短銃身型であるMG13kが、Kfz.13やSd.Kfz.221などの車載機関銃や、I号戦車の主砲・NbFzの機銃や、初期のJu87の後部座席の旋回機銃などとしても使われている。MG13kの「k」は「kurz=クルツ(短い)」を意味し、銃身中央のリブより前方の部分の長さが短くなっている。装甲貫徹力は射距離100 mで8 mm (30°)。
中国国民党軍は1936年に、I号戦車とともにMG13(車載型か個人携行型かは不明)も、ドイツから購入しており、対日戦に用いている。
設計
のちのシュトゥルムピストーレの物に似たパイプ状の折り畳み式ストック(基部からレジーバー右側面に折り畳み、革張りのバット・プレートを閉じる)と、キャリングハンドル(銃身方向を軸に回転可能)、二脚架(バイポッド)が付属している。
ストックのパイプ部分に、床板付きの単脚の後脚を取り付けることができ、床板付きの二脚架と合わせて安定した射撃姿勢をとることができる。スリングを銃の左側面に取り付けることができる。
給弾は25発入りバナナ型マガジンを銃本体左側面の給弾口に水平に挿し込む。実用射程は1,000~1,400 mだった。
このバナナ型マガジン2個分を溶接して繋げて延長した物が、7.92x57 mmブランクカートリッジ(空砲)である「Platzpatrone 33」を使用して、歩兵の戦闘訓練時に銃声を再現する機材である「ZFゲレート38機関銃(Zielfeuergerät 38、標的射撃装置38型)」に流用された。この延長型バナナ型マガジン(50発入り)はMG13にも使用可能であった。しかし逆に、MG13の通常型バナナ型マガジンはそのままではZFゲレート38機関銃には使用できなかった。
1930年代半ばに開発された、75発入りダブルドラムマガジン(ドッペル・トロンメル、MG15用の物とは形状が異なり互換性無し)も使用可能で、レシーバー左側面にドラムマガジン2個(2個合わせて装弾数75発)が縦に並んだ状態で付く。三脚架に載せ、対空機関銃として使われた。対空機関銃型をMG13kdと呼称する。対空防御時の効果的射程は800~1,000 mだった。
ベルト給弾方式には対応していないので継続射撃能力はそれより劣る。初期に開発された機関銃であるMG13とMG30がマガジン給弾方式のみなのは、ドイツがヴェルサイユ条約でベルト給弾方式機関銃の開発を禁じられていたためである。ダブルドラムマガジンはゼンマイで実包を押し出す仕組みで、ベルト給弾方式ではないので条約には抵触しない。
給弾口の反対側、銃本体右側面に排莢口があり、右側方の斜め前方に向かって排莢される。
上面のレシーバーカバーの裏側にリコイル・スプリングが収まっており、レシーバーカバー端のツマミを回すとリコイル・スプリングのテンションを調整でき、これにより発射速度を調整できる。
トリガーにはセミオートとフルオートの選択機能がある。 トリガーの上半分の窪みを引くとセミオートで、下半分の窪みを引くとフルオートである。 この機能はMG30やMG34と共通する。MG42のトリガーにはこの機能は無い。
銃身はMG34と同じく容易に交換が可能である。銃口先端はねじ式になっており、通常型、フラッシュハイダー(制炎器)、ブランク・アダプター(空砲発射補助具)等、部品を取り換えることができる。ブランク・アダプターは、ブランク(弾頭の無い7.92 mm空砲弾)でも機関銃が作動できるガス圧を得るために、銃口部分を絞るアタッチメントである。
後のMG34と共通規格の箇所や部品が多く、MG34と共通の対空マウントが使用できる他、MG34と共通のスパイダー・サイトをバレルジャケットの上部の中ほどに取り付けることができる。
登場作品
ゲーム
- 『War Thunder』
- ドイツ国防軍のIII号戦車B型やNbFzや戦闘機や急降下爆撃機の機銃や後部銃座などに搭載されている。
- 『トータル・タンク・シミュレーター』
- NbFzやJu87やFW190などドイツ製戦車と航空機の機銃や後部銃座などに搭載されている。
- 『Enlisted』
- モスクワキャンペーン、スターリングラードキャンペーンにて登場。
外部リンク
- [1] - MG13用のドッペル・トロンメル
- [2] - ZFゲレート38機関銃の延長型バナナ型マガジン