フロッティ

フロッティHrotti)は、北欧神話に登場する。 その名は古ノルド語突き刺すものを意味する。 フロッティは『古エッダ』の『ファーヴニルの言葉』(en)、『ヴォルスンガ・サガ』20に登場する。

スノッリのエッダ』第二部『詩語法』によると、フロッティは元々ファーヴニルとレギンの父、フレイドマルの持ち物であった。フレイドマルを殺したファーヴニルは父の遺産の分け前を求めてきたレギンに対し、父のを被りこの剣を帯びたため、レギンはフレイドマルから逃げるしかなかった[1]

『ファーヴニルの言葉』の伝えるところでは、ファーヴニルを殺したシグルズが竜の棲み家へ入ると、莫大な量の黄金があった。さらに相手を恐れさせる力があるエーギルの兜、黄金でできた甲冑、そして剣フロッティを見つけたという。これらの他に、ファーヴニルが自分の父フレイドマルを殺して奪っていた沢山の宝物をシグルズは自分の馬グラニに積んで運び出したという[2]

脚注

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  1. ^ 『「詩語法」訳注』47頁。
  2. ^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』142頁、『エッダ/グレティルのサガ』103頁。

関連項目

参考文献

  • スノリ『エッダ』「詩語法」訳注」谷口幸男訳、『広島大学文学部紀要』第43巻No.特輯号3、1983年。
  • V.G.ネッケル他編『エッダ 古代北欧歌謡集』谷口幸男訳、新潮社、1973年、ISBN 978-4-10-313701-6。
  • 『エッダ/グレティルのサガ』松谷健二訳、筑摩書房〈ちくま文庫〉、1986年、ISBN 978-4-480-02077-2。
  • Dillmann, François-Xavier. Notes de : Snorri Sturluson. L'Edda : récits de mythologie nordique. Trad. du vieil-islandais, intr. et annoté par François-Xavier Dillmann. Paris : Gallimard, 2003. (L'Aube des peuples). P. 202. ISBN 978-2-07-072114-6.
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