ブタレン

ブタレン
Bicyclo[2.2.0]hexa-1,3,5-triene
別称
Butalene
識別情報
CAS登録番号 1552-98-3 チェック
PubChem 3030745
UNII G5XZV75YZL チェック
  • c1cc2ccc12
  • C=1C=C2C=CC=12
  • InChI=1S/C6H4/c1-2-6-4-3-5(1)6/h1-4H
    Key: YHCJOCYHUDCVQI
特性
化学式 C6H4
モル質量 76.1 g mol−1
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ブタレン(Butalene)は、2つの融合したシクロブタジエン環からなる多環炭化水素である[1]デュワーベンゼンからの脱離反応での合成の可能性が報告されている。これ自体の構造は、内部に架橋を持ったベンゼンと見ることができ、計算によると、架橋の結合が壊れている原子価異性体である開環のp-ベンザインビラジカルよりも若干不安定である。

構造と結合

共鳴は、中心よりも周囲で大きい

ab initioの計算では、ブタレンは6π電子の平面を維持した平面構造を取り、芳香族性を持つことが示される。そのため、最も重要なπ結合の相互作用は、架橋結合に沿った環をまたぐ共鳴ではなく[2]、ベンゼンに似た6原子構造周辺での共役系である。どちらか一方の四員環周辺での強い共鳴は、シクロブタジエン自体で見られる不安定な反芳香族性となる。

関連項目

出典

  1. ^ Warner, Philip M.; Jones, Graham B. (2001). “Butalene and Related Compounds: Aromatic or Antiaromatic?”. J. Am. Chem. Soc. 123 (42): 10322-10328. doi:10.1021/ja011134v. 
  2. ^ Sakai, Shogo; Udagawa, Taro; Kita, Yuki (2009). “Theoretical Studies on the Structures and the Aromaticity for Condensed Cyclobutadienoids Series: The Combination of Kekule Structures”. J. Phys. Chem. A 113 (50): 13964-13971. doi:10.1021/jp906258e. 
2環
3環
4環

ベンズ[a]アントラセン - ベンゾ[a]フルオレン - ベンゾ[c]フェナントレン - クリセン - フルオランテン - ピレン - テトラセン - トリフェニレン

5環

ベンゾピレン - ベンゾ[a]ピレン - ベンゾ[e]ピレン - ベンゾ[a]フルオランテン - ベンゾ[b]フルオランテン - ベンゾ[j]フルオランテン - ベンゾ[k]フルオランテン - ジベンゾ[a,h]アントラセン - ジベンゾ[a,j]アントラセン - ペンタセン - ペリレン - ピセン - テトラフェニレン

6環以上