日本歌人クラブ評論賞

日本歌人クラブ評論賞は、日本で最も古い歴史と最大の規模を持つ歌人の親睦団体である日本歌人クラブが主催する、短歌歌人に対する評論書や研究書を対象とした賞。前年度に刊行された短歌関連の書籍から選ばれる。日本歌人クラブの創立55周年記念事業の一環として設立された。

選考は、日本歌人クラブの中央幹事(理事に相当)、地方ブロック(北海道・東北・北関東・南関東・東京・甲信越・北陸・東海・近畿・中国・四国・九州の12ブロック)役員、過去の受賞者、名誉会員から事前にアンケートを募り、その結果を基に、日本歌人クラブの中央幹事および中央幹事会から指名された会員で構成された選考委員会が選考する。選考委員の任期は一年。2016年度の選考委員は三枝昂之、久保田登、中川佐和子長澤ちづ。特に規定されてはいないが、新人よりは中堅もしくはベテラン歌人が受賞する傾向が強い。

このほか、長年に渉り地道に短歌に励み、斯道に貢献した歌人を顕彰する日本歌人クラブ大賞、中堅・ベテラン歌人の歌集を対象にした日本歌人クラブ賞、60歳以下の作者の第一歌集を対象にした日本歌人クラブ新人賞がある。

過去の受賞者

[1]

第1回から第10回

第11回から第20回

  • 第11回(2013年)小野弘子(矢代東村長女)『父・矢代東村』(現代短歌社・発売)
  • 第12回(2014年)杜澤光一郎(「コスモス」選者)『宮柊二・人と作品』(いりの舎)
  • 第13回(2015年)永田和宏(「塔」前主宰)『現代秀歌』(岩波書店
  • 第14回(2016年)中根誠(「まひる野」選者)『兵たりき―川口常孝の生涯』(KADOKAWA
  • 第15回(2017年)加古陽治(東京新聞文化部長)『一首のものがたり 短歌が生まれるとき』(東京新聞出版局
  • 第16回(2018年)青田伸夫(「歩道」所属)文明開化の歌人たち―開化新題歌集を読む(大空社出版)
  • 第17回(2019年)谷岡亜紀(「心の花」選者)『言葉の位相』(角川書店)
  • 第18回(2020年)該当なし
  • 第19回(2021年)加藤孝男(「まひる野」所属)『与謝野晶子をつくった男―明治和歌革新運動史』(本阿弥書店)
  • 第20回(2022年)阿木津英(「八雁」主宰)『アララギの釋迢空』(砂子屋書房)

第21回から第30回

  • 第21回(2023年)松村由利子(「かりん」編集委員)『ジャーナリスト与謝野晶子』(短歌研究社)
  • 第22回(2024年)濱田美枝子『女人短歌』(書肆侃侃房

出典

  1. ^ 日本歌人クラブ評論賞歴代受賞者