(普遍)包絡代数(ふへんほうらくだいすう、英: universal enveloping algebra, 仏: algèbre enveloppante)あるいは(普遍)展開代数とは、任意のリー代数
から構成される、ある性質を満たす単位的結合代数
と準同型写像
の組
のことをいう。
定義
を任意のリー代数とする。このとき以下の普遍性質を満たす結合代数 A とリー代数の準同型写像
の組
が存在する(A は交換子積によってリー代数とみる)。任意の結合代数
とリー代数準同型写像
に対し、結合代数の準同型写像
で、
を満たすものが唯一つ存在する。このような
は同型を除いて一意的に存在し、普遍包絡代数といい、A を
で表す:
構成
をリー代数、
をそのベクトル空間としてのテンソル代数とする。また、
を
が生成する両側イデアルとする。これによって
![{\displaystyle U({\mathfrak {g}})=T({\mathfrak {g}})/{\mathcal {I}}}](https://wikimedia.org/api/rest_v1/media/math/render/svg/cf7612f184da66ff34505800af83e041352e7466)
とする。自然な写像
を
に制限して
が定まり、
は普遍包絡代数になる。
関連項目
- Poincaré–Birkhoff–Wittの定理(英語版)
脚注
参考文献
外部リンク
- universal enveloping algebra in nLab
- universal enveloping algebra - PlanetMath.(英語)
- Popov, V.L. (2001), “Universal enveloping algebra”, in Hazewinkel, Michiel, Encyclopedia of Mathematics, Springer, ISBN 978-1-55608-010-4, https://www.encyclopediaofmath.org/index.php?title=Universal_enveloping_algebra