鉄のカーテン (映画)

鉄のカーテン
The Iron Curtain
監督 ウィリアム・A・ウェルマン
脚本 ミルトン・クリムス(英語版)
原作 イゴール・グーゼンコ(英語版)
製作 ソル・C・シーゲル
ナレーター リード・ハドレー(英語版)
出演者 ダナ・アンドリュース
ジーン・ティアニー
音楽 アルフレッド・ニューマン
撮影 チャールズ・G・クラーク(英語版)
編集 ルイス・R・ロフラー(英語版)
配給 アメリカ合衆国の旗 20世紀フォックス
日本の旗 セントラル
公開 アメリカ合衆国の旗 1948年5月12日
日本の旗 1949年9月13日
上映時間 87分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
興行収入 $2 million (US rentals)[1]
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鉄のカーテン』(The Iron Curtain)は、ウィリアム・A・ウェルマン監督、ダナ・アンドリュース及びジーン・ティアニー出演の1948年のアメリカ合衆国のスリラー映画である。イゴール・グーゼンコ(英語版)の回想録を基にミルトン・クリムス(英語版)が脚本を執筆した[2]。撮影はカナダのオンタリオ州オタワで行われた[3]。後に再公開された際には『Behind the Iron Curtain』という題が使われた。

ソ連の作曲家のドミートリイ・ショスタコーヴィチパブリックドメインとなっていた自作がこの映画で使われたとして配給の20世紀フォックスを相手に著作権裁判を起こした。

プロット

1943年、暗号解読の専門家であるイゴール・グゼンコは、ソ連軍のトリゴーリン大佐とクリン少佐と共に在オタワのソ連大使館に着任し、活動拠点を立ち上げる。

取り扱う事柄が機密事項で極秘であると言われたイゴールは、早速、上司に試される。上司は、魅惑的なニーナ・カラノヴァにイゴールを誘惑させるが、イゴールは共産主義のみならず、妻のアンナにも忠実であることを示す。アンナはその後間も無く、妊娠したという知らせと共にオタワに到着する。

トリゴーリンと警備責任者のラノフは、カナダ共産党の創設者ジョン・グラブと会う。彼らの主なターゲットの1つは、ハロルド・ノーマン博士が原子力に転用しようとしているウランの研究成果であり、彼らはノーマン博士を共産陣営に引き込もうとする。

その後、原爆により第二次世界大戦は終結する。息子を産んだアンナは、家族の将来について深刻な不安を抱くようになる。イゴールも、同僚のクリンが精神を病んで逮捕された後、同様の不安を抱き始める。イゴールはモスクワへの転属を伝えられると、行動を起こすことを決意する。彼は大使館から秘密文書を持ち出し、自分に何かあった場合に備えてアンナに隠すように言う。トリゴーリンとラノフはイゴールの命、そしてソ連にいる彼とアンナの家族のことを持ち出してイゴールを脅すが、イゴールは書類の返還を拒否する。そこへアンナが通報した地元警察が到着し、機密書類はカナダ当局の手に渡り、大々的に報道される。

グラブと他の数人は、失敗の責任を取るためにソ連に呼び戻される。イゴールが持ち出した書類のおかげで、カナダ政府は国内の共産主義陰謀グループの解体に成功し、グゼンコ一家を保護し居住権を与える。映画は、クゼンコ一家が王立カナダ騎馬警察に守られながら暮らす様子を描いて終わる。「しかし、彼らは未来への期待を失ってはいない。自分たちと子供たちの安全は、民主主義的な生活にかかっていることを彼らは知っている」

キャスト

  • イゴール・グーゼンコ(英語版) - ダナ・アンドリュース
  • アンナ・グーゼンコ - ジーン・ティアニー
  • ニーナ・カラノヴァ - ジューン・ハヴォック(英語版)
  • ジョン・グラッブ - ベリー・クルーガー(英語版)
  • フォスター夫人 - エドナ・ベスト(英語版)
  • イリヤ・ラノフ - ステファン・シュナーベル(英語版)
  • セミヨン・クリン - エドュアルド・フランツ(英語版)

製作

1940年代後半にハリウッドの各社が共産主義者の侵入を題材とした映画の製作を始めると20世紀フォックスはグーゼンコが自身の経験を綴った記事の権利を買った。スタジオはまたソ連に関する記録書『Behind the Iron Curtain』と『The Soviet Spies: The Story of Russian Espionage in North America』の権利をも購入したが、結局その2冊の要素は映画に使われなかった[2]

ソ連の信奉者たちはオタワでのロケーション撮影の妨害を試みたが、失敗に終わった[2]

参考文献

  1. ^ "Top Grossers of 1948", Variety 5 January 1949 p 46
  2. ^ a b c "The Iron Curtain". Turner Classic Movies. Retrieved April 28, 2014.
  3. ^ Higham, Charles; Greenberg, Joel (1968). Hollywood in the Forties. London: A. Zwemmer Limited. p. 75. ISBN 0-302-00477-7 

外部リンク

1920年代
  • Second Hand Love (1923)
  • The Man Who Won (1923)
  • 豪傑ダン(英語版) (1923)
  • 命を的に(英語版) (1923)
  • Not a Drum Was Heard (1924)
  • 漂泊の兄弟(英語版) (1924)
  • The Circus Cowboy (1924)
  • When Husbands Flirt (1925)
  • 踊る英雄(英語版) (1926)
  • 女心を誰が知る(英語版) (1926)
  • 猫の寝間着 (1926)
  • つばさ (1927)
  • 空行かば(英語版) (1928)
  • 暗黒街の女 (1928)
  • 人生の乞食(英語版) (1928)
  • Chinatown Nights (1929)
  • 君恋し(英語版) (1929)
  • 女性の罠(英語版) (1929)
1930年代
  • 危険なる楽園(英語版) (1930)
  • 若き翼(英語版) (1930)
  • Maybe It's Love (1930)
  • Other Men's Women (1931)
  • 民衆の敵 (1931)
  • 夜の看護婦(英語版) (1931)
  • 都会の世紀末 (1931)
  • Safe in Hell (1931)
  • 天晴れウォング(英語版) (1932)
  • (英語版)
  • Love Is a Racket (1932)
  • The Purchase Price (1932)
  • 立ち上がる米国(英語版) (1932)
  • フリスコ・ジェニー(英語版) (1932)
  • つばさの天使 (1933)
  • Lilly Turner (1933)
  • 飢ゆるアメリカ(英語版) (1933)
  • 真夜中の処女(英語版) (1933)
  • 家なき少年群(英語版) (1933)
  • Female (1933; クレジット無し)
  • College Coach (1933)
  • 電話新撰組(英語版) (1934)
  • 泰西侠盗伝(英語版) (1934)
  • The President Vanishes (1934)
  • 野性の叫び(英語版) (1935)
  • ロビン・フッドの復讐(英語版) (1936)
  • 小都会の女(英語版) (1936)
  • スタア誕生 (1937)
  • 無責任時代(英語版) (1937)
  • 翼の人々(英語版) (1938)
  • ボー・ジェスト (1939)
  • 消えゆく灯(英語版) (1939)
1940年代
  • Reaching for the Sun (1941)
  • Roxie Hart (1942)
  • The Great Man's Lady (1942)
  • 大空の戦士 サンダーバード(英語版) (1942)
  • Lady of Burlesque (1943)
  • 牛泥棒 (1943)
  • 西部の王者 (1944)
  • This Man's Navy (1945)
  • G・I・ジョウ (1945)
  • Gallant Journey (1946)
  • 魔法の町(英語版) (1947)
  • 鉄のカーテン (1948)
  • 廃墟の群盗 (1948)
  • 戦場 (1949)
1950年代
  • The Next Voice You Hear... (1950)
  • The Happy Years (1950)
  • ミズーリ横断 (1951)
  • It's a Big Country (1951)
  • 女群西部へ!(英語版) (1951)
  • My Man and I (1952)
  • 男の叫び(英語版) (1953)
  • 紅の翼(英語版) (1954)
  • 血ぬられし爪あと/影なき殺人ピューマ(英語版) (1954)
  • 中共脱出 (1955)
  • Good-bye, My Lady (1956)
  • 特攻決死隊(英語版) (1958)
  • 壮烈!外人部隊(英語版) (1958)
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