高宮王

高宮王(たかみやのおおきみ/たかみやおう、生没年不詳)は、奈良時代歌人・官人。

名前に「王」が付いているところから皇族出身と推察されるが、詳しい系譜などは不明。『万葉集』に2首の歌が載る。

  • かわらふじに延ひおほとれる屎葛(くそかずら)絶ゆることなく宮仕えせむ(万葉集16-3855)
かわらふじ(サイカチ)と屎葛(ヘクソカズラ)を歌に詠み込む。
  • 婆羅門の作れる小田を食む烏瞼腫れて幡桙に居り(万葉集16-3856)
婆羅門」「烏」「幡桙[1]」など、予め詠み込む物の名を決めて作った物名歌[2]

脚注

  1. ^ のぼりのような旗をつけたのこと。朝廷の会議や法会のときに立てたという。
  2. ^ 物名歌とは、和歌・連歌・俳諧で歌や句の意味とは関係なく物の名を詠み込んだもの。

関連項目

参考文献

  • 坂本太郎・平野邦雄監修『日本古代氏族人名辞典』吉川弘文館、1990年。